天香山命（アメノガクヤマノミコト）は、日本神話に登場する神です。「天」という漢字がつくと女神と思うことも多いですが、一般的には男神とされています。
天照大神の御曾孫にあたる神様で、神武天皇を救った神として日本神話に登場しています。
天香山命について
天照大神の孫にあたる邇芸速日命（にぎはやひのみこと、饒速日命）と天道日女命との間に生まれた御神子とされている男神です。
新潟の有名な神社「弥彦神社」の御祭神として有名です。
天香山命が、紀伊国熊野神邑に御住まいの頃、御東征途上の神武天皇を始め皇軍将士は、熊野荒坂津にて敵の毒気により昏睡に陥りました。この危機を救うべく、天照大御神と武甕槌命は天香山命に韴靈剣(ふつのみたまのみつるぎ)を神武天皇に献ずるよう夢の中で告げられました。韴靈剣とはかつて武甕槌命が国土平定に用いられた威力ある霊剣です。夢告に従い天香山命が昏睡している神武天皇に韴靈剣を献じたところ、霊剣の威力によって神武天皇を始め皇軍将士は忽ち昏睡から覚醒し、敵を撃破されました。天香山命の韴靈剣献上の大功により危機を乗り越えた皇軍は、その後次々と蛮賊を平定し、大和国に入られた神武天皇は、橿原宮で初代天皇として即位されました。
神武天皇即位四年(西暦紀元前657年)、天香山命は越の国平定の勅を奉じて日本海を渡り、米水浦(よねみずがうら・弥彦山の背後・長岡市野積)に御上陸されました。当地では住民に漁業・製塩・酒造などの技術を授けられ、後には弥彦の地に宮居を遷されて、国内の悪神凶賊を教え諭し万民を撫育して、稲作・畑作を始め諸産業の基を築かれました。
天香山命は越後開拓の祖神であり、またその御事績から、人々の魂・生命に溌剌とした活力を御授けくださる神様と言えましょう。
弥彦神社より
上記のように説明をされています。
ただ「熊野荒坂津にて敵の毒気」についてはいろいろな説があり「熊の毒気」としている話も一部であります。敵の神としている話もあります。
神話の世界なため、いろいろな書物でいろいろな説があるので、絶対ではありませんが、霊剣を持って馳せ参じて、命を吹きかえしたことで、活力があり延命長寿にご利益があると言われるようになっています。
天香山命の神格
倉庫の神・農業神・開発神
天香山命のご利益
- 産業開発
- 農漁業
- 厄除開運
- 出世開運
- 延命長寿
天香山命の別称
- 高倉下（たかくらじ)
- 天香語山命（あめのかごやまのみこと・あまのかごやまのみこと）
- 天賀吾山命（あめのかごやまのみこと・あまのかごやまのみこと）
- 天香久山命（あめのかぐやまのみこと）
- 天香児山命（あまのかぐやまのみこと）
- 天隠山命（あめのかごやまのみこと）
天香山命の系譜
先代旧事本紀によると天照太神の孫神である饒速日尊（旧事本紀では天火明命と同視する）と、天道日女命との間に生まれた神とされています。
天香山命を祀る神社
新潟県の弥彦神社が最も有名ですが魚沼神社（新潟県）や尾張戸神社でも祀られています。
札幌では、弥彦神社（中央区）が有名です。
天香山命を祀っている札幌の神社は下記記事をご覧ください。