日本神話にもよく登場する神様であるイザナギとイザナミは、天照大神や素盞嗚命(スサノオ)や月読命(ツクヨミ)等の神々を生んだ夫婦神(兄妹神)です。
神代七神(12柱いる)の最後に登場した神様で、いろいろな神社で御祭神として祀られています。
神代七神(神世七神)は、最初の2柱は1神でしたが、三代からは男神と女神のペアで登場しており、ペアを一代と数えるので、神代七神で12柱となっています。
イザナギ・イザナミについて
イザナギとイザナミと言えば、黄泉国(よみのくに)の神話が有名です。知っている方も多いと思います。
イザナミが火之迦具土神を生んだ際に火傷を負い、そのため亡くなってしまい、イザナギは、火之迦具土神を殺してしまいます。
イザナギはイザナミが亡くなった後も気持ちを捨てきれず黄泉国までイザナミに会いに行ってしまいます。
そしてイザナミと出会い、イザナミは最初は断るもののやはりイザナギと帰りたいと思い黄泉国の神々と話し合いをすることに。
話し合いの間、話し合いをしているところを絶対に見ないようにイザナミはイザナギに伝えましたが、いつまでもイザナミが来ないためイザナギはついつい話し合いの様子を見に行ってしまいます。
そこには腐敗した姿のイザナミがいて、その姿を見たイザナギは逃げ出します。それに怒ったイザナミや黄泉国の神々や鬼はイザナギを追ってきます。
どうにか黄泉国から逃げ切ったイザナギですが黄泉国との出入口を千引きの岩という大岩で塞いだことで地上と黄泉国が閉ざされるようになったとされています。
なお大岩で閉じた時に大岩の奥からイザナミは「お前の国の人間を1日1000人殺してやる」と言ったそうです。それに対してイザナギは「ならば1日1500人の子を産ませよう」と言ったとされています。
イザナギとイザナミは強い夫婦愛を持っていましたが、憎み合いもする夫婦であったとも言えます。
イザナギ・イザナミの神格
イザナギの神格
人類起源の神・結婚の神・国堅めの神・万物を生み出す神・生命の祖神
イザナミの神格
創造神・万物を生み出す女神・大地母神・死を司る神
イザナギ・イザナミのご利益
- 夫婦円満
- 縁結び・恋愛成就
- 安産祈願
- 子授かり・子宝祈願
- 病気平癒・健康祈願
- 延命長寿
- 五穀豊穣
- 開運厄除け
夫婦神であり同じ代の神様ということで御利益は共通しています。
特に夫婦神であることから、縁結び・恋愛成就、子授かり・子宝祈願、安産祈願に御利益があるとされています。
イザナギ・イザナミの別称
イザナギ
- 古事記:伊邪那岐神、伊邪那岐命
- 日本書紀:伊弉諾神
上記外に、伊邪那岐大神、伊邪那岐大命 伊弉諾大神 などと書かれることがあります。
イザナミ
- 古事記:伊邪那美神、伊耶那美命
- 日本書紀:伊弉弥神
上記以外に伊邪那美大神、伊耶那美大命 伊弉弥大神、 黄泉津大神、道敷大神などと書かれることがあります。
イザナギ・イザナミの系譜
天照大神やスサノオ、ツクヨミの父母神という面があります。
厳密には、イザナミが黄泉の世界に行った後にイザナギの禊(みそぎ)という行為からアマテラス・ツクヨミ・スサノオが生まれているので、厳密にはアマテラス・ツキヨミ・スサノオの3神はイザナギとイザナミの子神という訳ではありません。
実際にはイザナギの身体の一部からそれぞれ生まれています。
- アマテラス:イザナギの左目から
- ツクヨミ:イザナギの右目から
- スサノオ:イザナギの鼻から
しかしスサノオが後に母のいる「根の国」(黄泉の国という説もあれば全く別のところという説もある)に行きたいと駄々をこねているので、イザナミが母という説もあります。
神話の話なので、いろいろと矛盾点はありますが、一般的にはイザナギ・イザナミの子神と思っていて問題ありません。
イザナギやイザナミの上の系譜はありません。その前に登場した神々はいますが、親子関係等が無いためです。
イザナギ・イザナミを祀る神社
全国ではイザナギ・イザナミを御祭神とする神社はいろいろとあります。
特に有名なのが滋賀県の多賀大社です。