関東から東海にかけて多い浅間神社、でも札幌はおろか北海道では松前町くらいにしか無い神社です。
なぜ、本州には多い浅間神社が札幌・北海道にはほとんど無いのか?と言えばそれは本州では無いから、というのは北海道が開拓された時にはそれほど重要な神社では無かったからと考えるのが自然です。
浅間神社・浅間信仰について
最初に「浅間」はなんと読むか?ですが「あさま」「せんげん」どちらも正しいです。
神社に限って言えば「せんげんじんじゃ」ということが多いですが「あさまじんじゃ」という神社もあります。
天空の鳥居で有名になった山梨県にある「河口浅間神社」は「かわぐちあさまじんじゃ」と読みます。
神社によって「あさま」とも読みますし「せんげん」とも読みますが、「浅間神社」だけなら「せんげんじんじゃ」と読むのが一般的です。
読み方はさておき、浅間神社・浅間信仰は何を祀っているかと言えば、基本的には富士山です。
富士山信仰=浅間信仰と言ってもいいでしょう。
霊峰富士を神格化した「浅間大神」、または木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやびめのみこと)を祀る神社が浅間信仰とされています。
もしくは火山信仰を浅間信仰とする考え方もあり、富士山信仰=浅間信仰とは限らない部分もありますが、一般的には浅間信仰=富士山信仰と考えて良さそうです。
ただ火山に対する畏怖が浅間信仰には大きく関係してきていると言えます。
なお群馬県・長野県をまたぐ浅間山は「あさまやま」と読みます。
江戸時代・戦後にも噴火は記録されていますが、浅間山付近には浅間神社はそれほど多くはありませんから、多くの浅間信仰はやはり富士山が基準と言えそうです。
北海道で浅間信仰が少ない理由
松前・函館方面を除き、北海道が開拓され始めたのは明治から。
その時には富士山の噴火は収まり、北海道に移住してきた人にとって、浅間信仰を必要とする人は少なかったと言えます。
むしろ未開の地である北海道・札幌の内陸部では山そのものに畏怖を感じていたはずで、そのため札幌では、大山祇神(おおやまつみのかみ)が祀られることが多くなっています。
大山祇神には諸説ありますが、浅間信仰で祀られている木花之佐久夜毘売命の父神とされることもあります。
浅間信仰が少ないというよりは、浅間信仰を必要としなくなった時代になってから、北海道・札幌が栄えてきたというのが正しいように思います。
札幌にある浅間信仰の神社
札幌には浅間信仰に関連した神社は無いのか?と言えば由緒から考えれば無いと言えます。
ただし大山祇神と木花之佐久夜毘売命を合わせて祀っている神社はあります。
苗穂山 農本神社です。
ただ祀ったのは1933年(昭和8年)になってからのため、山神として2柱を祀ったと考えるのが自然で、富士山信仰=浅間信仰として祀った訳では無いと思えます。
函館方面を除き、北海道で木花之佐久夜毘売命を祀っているのは、札幌の「苗穂山 農本神社」と旭川市の旭川神社の2社のみです。
以上、札幌の浅間神社、浅間信仰についてでした。