最近ついてない、財布を落とすし、怪我はするし、仕事でミスはするし……
何か悪いことが立て続けに起こると厄年だからかな?と思ったり、お祓いに行った方が良いのかな?って思いますよね。
でもふと、厄除けと厄祓いって何が違うんだろう?と思ったりませんか?
厄年もよくわからない…
それに神社にお願いする時は、予約とか必要なのか?それに金額はいくらくらいなのか?と不安になったり。
厄年について厄除けと厄祓いの違いと、厄除け・厄祓いの予約方法・金額について詳しく説明します。
厄除けと厄払い(厄祓い)の違い
厄除けと厄祓いの違いは解釈や宗教・宗派によって言い分けています。ただ最近はどちらが正しい言葉であるか曖昧にはなっています。
- 厄除け:厄を寄せ付けないようにお寺で祈祷してもらうこと
- 厄祓い:災厄を祓うように神社で祈祷してもらうこと
という区別をする場合もあれば、下記のように区別することがあります。
- 厄除け:厄年以外に災厄に合わないように祈祷してもらうこと
- 厄祓い:厄年に災厄に合わないように祈祷してもらうこと
日本全国の神社を包括する神社本庁のサイトでは下記のように書かれています。
厄年に当たっては、神様の御加護により災厄から身を護るため、神社に参詣をして、災厄を祓う厄祓いの儀(厄除け)がおこなわれます。
神社本庁 厄祓いについて より
神社では厄除けではなく、厄祓いと書いてあります。伊勢神宮も「厄祓い」と記載してあります。
お寺で厄年のことを書いてあるところは「厄除け」と記載してあるところがほとんどです。
仏教の13宗派の総本山で「厄」のことに書いてあるところはほとんどありませんが、時宗の総本山である「清浄光寺(遊行寺)」と臨済宗の総本山「妙心寺」では、「厄除け」という言葉が使われています。
護摩祈祷で有名な成田山 新勝寺は「厄除けお祓い」という言葉を使っていますが、別院だと「厄除け」という言葉を使っています。
調べてみると実際に
- 神社(神道):厄祓い
- お寺(仏教):厄除け
と使い分けていることが多くなっており、神社で行うのであれば厄祓い、お寺で行うのであれば厄除け、と言った方が良いようです。
厄年は3回9年間・宗教宗派によってはそれ以上
厄祓いを行ってもらう厄年についても宗教・宗派によって違いますが、一般的には男女ともに3回・合計9年と言われているのが一般的です。
でも厄年ってそもそも何だろう?と思いませんか?
厄年の由来は陰陽道や仏教と諸説あり
そもそも厄祓い・厄除けの「厄」って何?と思いませんか?
「苦しみ・災い・災難」という説明されており、実際にはその通りなのですが、もう1つ意味があります。それは「節」です。
「人生の節目」(じんせいのふしめ)なんて言葉を聞いたことがあると思いますが、厄年は人生の節目にあたる年ともされています。
肉体的にも精神的にも、社会的にも節目となることが多い年齢を厄年にしたとされています。
厄年の由来はいろいろとありますが、一般的に陰陽道が基礎となり、仏教(主に宿曜道)や神道と混ざり合い、現在に至るものとされています。
平安時代には既にあったとも言われています。
一般的な厄年
一般的な厄年の年齢は下記の通りです。
男性 | 前厄 | 本厄 | 後厄 | |
1回目 | 数え年 | 24歳 | 25歳 | 26歳 |
実年齢 | 23歳 | 24歳 | 25歳 | |
2回目 (大厄) |
数え年 | 41歳 | 42歳 | 43歳 |
実年齢 | 40歳 | 41歳 | 42歳 | |
3回目 | 数え年 | 60歳 | 61歳 | 62歳 |
実年齢 | 59歳 | 60歳 | 61歳 |
女性 | 前厄 | 本厄 | 後厄 | |
1回目 | 数え年 | 18歳 | 19歳 | 20歳 |
実年齢 | 17歳 | 18歳 | 19歳 | |
2回目 (大厄) |
数え年 | 32歳 | 33歳 | 34歳 |
実年齢 | 31歳 | 32歳 | 33歳 | |
3回目 | 数え年 | 36歳 | 37歳 | 38歳 |
実年齢 | 35歳 | 36歳 | 37歳 |
中でも男性42歳は「死に」、女性33歳は「散々」の語呂合わせから、一番厄が大きい「大厄」と言われ、「より慎重にせよ」と言われています。
実際の厄年の方の誕生年は下記のようになります。
令和3年(2021年)
男性 | 前厄 | 本厄 | 後厄 |
平成10年 1998年 |
平成9年 1997年 |
平成8年 1996年 |
|
昭和56年 1981年 |
昭和55年 1980年 |
昭和54年 1979年 |
|
昭和37年 1962年 |
昭和36年 1961年 |
昭和35年 1960年 |
女性 | 前厄 | 本厄 | 後厄 |
平成16年 2004年 |
平成15年 2003年 |
平成14年 2002年 |
|
平成2年 1990年 |
平成元年 1989年 |
昭和63年 1988年 |
|
昭和61年 1986年 |
昭和60年 1985年 |
昭和59年 1984年 |
令和4年(2022年)
男性 | 前厄 | 本厄 | 後厄 |
平成11年 1999年 |
平成10年 1998年 |
平成9年 1997年 |
|
昭和57年 1982年 |
昭和56年 1981年 |
昭和55年 1980年 |
|
昭和38年 1963年 |
昭和37年 1962年 |
昭和36年 1961年 |
女性 | 前厄 | 本厄 | 後厄 |
平成17年 2005年 |
平成16年 2004年 |
平成15年 2003年 |
|
平成3年 1991年 |
平成2年 1990年 |
平成元年 1989年 |
|
昭和62年 1987年 |
昭和61年 1986年 |
昭和60年 1985年 |
宗教・宗派によって加わる厄年
一般的な厄年は3回・9年間ですが、宗教・宗派によっては減ったり増えたりします。
例えば男性の3回目の厄年である61歳(実年齢60歳)は、厄年では無いとする宗教・宗派もあります。
また女性も61歳(実年齢60歳)は厄年とすることが宗教・宗派によってはあります。
更に49歳(実年齢48歳)を厄年に加える宗教・宗派もあります。
つまり男女共通もしくは女性のみ・男性のみとして下記の年齢も厄年として加えることがあります。
男女共通 | 前厄 | 本厄 | 後厄 | |
追加1 | 数年 | 48歳 | 49歳 | 50歳 |
実年齢 | 47歳 | 48歳 | 49歳 | |
追加2 | 数年 | 60歳 | 61歳 | 62歳 |
実年齢 | 59歳 | 60歳 | 61歳 |
大厄は語呂合わせで出たと言われている、通り49歳の厄年は「死苦」からとも言われています。
61歳の厄年(一部の宗教・宗派では62歳としているところもあり)は還暦を表しているとされています。通常は祝事ですが、人生の区切り(節目)ということもあり厄年にしていることが宗教・宗派によってはあります。
長野県の有名な「諏訪大社」は数え年2歳も厄年となっています(前厄・後厄は無し)。
ただ5回・15年間も厄年があったら、仮に90歳まで行きたら人生の1/6(6分の1)は厄年になってしまいますから、そんなに気にすることはありません。
一般的な3回の厄年は厄祓いをしていただきたいとは思いますが、それ以外の厄年は気になったら厄祓いを受けるということでいいでしょう。
また自分の宗派・宗教の厄年が気になったらご自身の氏子神社・菩提寺・檀那寺(普段お世話になっている神社やお寺、先祖のお墓があるお寺のこと)に相談してください。
北海道の一宮である「北海道神宮」では、数え年の49歳・61歳はともに「厄」としていますが、その1年のみが厄年であって前厄・後厄はありません。
上記が北海道神宮の厄年および年祝の令和3年(2021年)の一覧です。
上記の写真は札幌三吉神社の厄年および年祝の令和3年(2021年)の一覧です。一般的な厄年とは異なり男女ともに2回、そして共通の厄年が1回とされています。
女性は37歳の厄年がなくなっています。
厄年は数え年だけど宗教・宗派で異なる
一般的には厄年は数え年・数え歳(かぞえどし・かぞえとし)の年齢で表されています。
数え年は生まれた時を1歳としてお正月を迎えるたびに1歳、年を重ねるという数え方です。
ただし数え年についても諸説あり、日本は旧暦で元々は数えられていたため、1月1日から立春の前日(日本の場合、立春は2月4日もしくは2月3日、年によって異なる)までに生まれた人の場合、前の年に生まれたことになります。
つまり1月20日に生まれた場合、2月3日もしくは2月4日で数え年だと2歳になる計算です。
これだとあまりにも複雑なので、今は旧暦による数え年は気にしなくても良い、1月1日を起点にした数え年で十分と言うところが多くなっています。
参考までに川崎大師は、数え年ではなく満年齢で厄年としています。
厄年は、男性の25歳と42歳、女性の19歳と33歳、そして男女ともに60歳が本厄(ほんやく)。その前後がそれぞれ前厄(まえやく)、後厄(あとやく)です。川崎大師では年齢を数えるのに「その年の満年令」を使います。
川崎大師 厄年 より
どの年齢で厄祓いを受けて良いか悩んだ時は、厄祓いを受ける神社(お寺)に聞いてください。
厄祓い・厄除けを受けるにはどうすれば良いか?金額やご利益について
厄祓いを受けるのにいつ受ければ良いのか?神社やお寺によって違いはあるのか?金額はいくらなのか?等、気になるところを説明します。
厄祓いは1年のうち、いつ行うもの?厄祓いを受けるのは基本的には節分まで
厄祓いはいつまでに受けなければ行けないもの、というルールは基本的には1年中受けられます。
ただし一般的には節分(2月3日前後)までに行くと良いとされています。
節分って2月3日だと思っている方も多いのですが、2021年・2025年は2月2日が節分です。
節分の翌日は立春です。
立春は二十四節気(1年間を24の季節で分類したもの)で新年最初の時期にあたります。
つまり立春の前日である節分までに行くのが良いとされていました。
姉妹サイト「こよみる」で2050年までの立春の日が記載されているので、参考にして下さい。
ただし地域によっては旧正月(2月中旬ころ)まで、小正月(旧暦の小正月の場合もあり)まで、という場合もあるので、不安であれば住んでいる地域の年配の方や神社・お寺の方に確認されることをおすすめします。
もっとも1月中に受ければ問題はありませんし、1年中いつでも構いません。
なお一部サイトでは立春のことを旧暦の正月と説明していますが、旧暦は月の満ち欠けに太陽の動きを加味したもの、立春等の二十四節気は太陽の動きで分類したものです。
- 旧暦:月の満ち欠け+太陽の動きで決められた
- 二十四節気:太陽の動き(通り道)で決められた
全く別のものです。旧暦の正月は2月中旬頃になることが多く、節分とは10日くらいズレています。
東北地方の雪まつりは旧暦の小正月に行われることが多く、地域全体での厄祓いとしていることもあります。
厄祓い・厄除けにかかる費用・金額と準備するもの
厄祓い・厄除けを受けるためには費用がかかります。
費用の呼び方は神社とお寺で異なります。
- 神社:初穂料
- お寺:お布施
現金手渡しは失礼にあたるので、封筒に入れて渡すのが一般的です。
封筒は出来れば専用の封筒を購入してきて渡しましょう。大きめの文房具屋や大きめの100円ショップ等でも販売されています。
写真は神社の場合のものです。
初穂料と書かれた封筒が販売されてない場合は、上記写真のように紅白の蝶結び(花結び)になった封筒に「初穂料(神社の場合)」「御布施 or 御祈祷料(お寺の場合)」と書いてください。
厄祓い・厄除けの金額は概ね決まっている神社・お寺もあれば「お気持ちで」という神社・お寺もあります。
相場としては1人5000円からです。
厄祓い・厄除けのご利益は金額で異なる?
金額によって厄祓い・厄除けの方法は変わりません。変わるのは厄祓い・厄除けの時にいただく御札・神札等の種類です。
例えば5000円なら普通の御札をいただくけど、1万円なら記名していただいたり、大きな御札になるというものです。
また金額によってご利益も変わることはありません。
厄祓い・厄除けは予約が必要なところと不要なところがある
大きな神社やお寺の場合、毎日決まった時間に厄祓い・厄除けを行っているところもあり、その場合は予約が不要となっていることがあります。
小さな神社・お寺だと事前に予約が必要になってきます。
小さな神社やお寺だと厄祓い・厄除けが出来る人が1人のみということもあり、出張祭典・出張法事や兼務神社への出張等があり不在のこともあります。
自分が受けたい神社・お寺は予約制かどうか事前に確認をしてください。
例えば北海道の一宮である北海道神宮は個人であれば予約は不要です。
他の神社であればほぼ予約が必要になっています。なおお正月の時期のみ予約不要で行っている神社やお寺もあります。
厄祓い・厄除けの時の服装
あまりにも派手な服装であったりしなければ、普段の服装で大丈夫です。
ただし出来れば男性ならスーツ、女性ならそれに準じた服装で行くのがおすすめです。せめて襟付きのシャツを着ていく方がいいでしょう。
また厄祓い・厄除けは土足厳禁の拝殿の中や講堂の中で行われるのが一般的です。
その時に裸足はさすがに失礼になりますので、靴下・ストッキングは最低限、履いていくようにしてください。
一部の神社では裸足の場合は行ってもらえないこともあります。
厄祓い・厄除けにかかる時間
厄祓い・厄除けにかかる時間は神社・お寺によっても異なりますが、20~40分くらいのところが多くなっています。
先に手水舎があるところなら手水舎で手と口と心を清め、その後に一度お参りをするので、プラス10分くらいは見ておきましょう。
- 受付
- 説明
- 祈祷(厄祓い・厄除け)
- 名前の読み上げ(無いところもあり)
- 御札等の授与
- 解散
多くの場合は上記の順番になりますが、神社・お寺・宗教宗派によっても異なります。
後悔しない厄祓い・厄除けの神社・お寺の選び方
厄祓い・厄除けは氏子神社・菩提寺・檀那寺で受けるのが一般的です。
- 氏子神社:住んでいる地域の神社やお世話になっている神社
- 菩提寺:先祖代々のお墓があったりするお寺
- 檀那寺:檀家となっているお寺
しかし転勤・進学等で地元にいなかったり、地元とは関係ないところで住んでいたりして、菩提寺や檀那寺が無い方もいますし、氏子神社がどこかわからない方もいますよね。
その場合は近隣の神社やお寺、有名な神社やお寺で厄祓い・厄除けを受けてもらって構いません。
神社にするかお寺にするか?
神社にするかお寺にするか?これは自分が信じることで構いません。
神様にお願いをするか、仏さまにお願いをするとか、自分の気持ちで判断して下さい。
ただし厳密には神道(神社)と仏教(寺院)では厄除けの仕組みそのものが違います。
- 神社:神職の方が神様の力を借りて厄除けをする(神様が祓う)
- お寺:修行した人に宿る法力で厄除けをする(人が祓う)
仏教だと宗派によっても異なりますが、基本的には神社は神様の力を借りて厄を祓います。寺院は修行僧の法力(人間に宿った力)で厄を祓います。
後悔しないためには厄祓い・厄除けを受ける前に確認
後悔しないために、厄祓い・厄除けをする神社やお寺には事前に1度訪れて雰囲気が良いか、自分に合っているかどうか体験して下さい。
例えば御朱印をいただくのも1つの手です。
御朱印をお願いして、この方にならお祓いをしてもらいたい!と思ったのなら、そこで厄祓い・厄除けを行うのが良いですし、逆に2度とここには来ない!と思うほど失礼な対応をされたら、そこの神社・お寺はやめた方が良いでしょう。
また境内に入った時に清々しい気分になったり、良い感じがする神社・お寺もあれば、逆にザワついた気持ちになったり、嫌な感じがする神社・お寺もありますよね。
だから良い感じがする神社・お寺で受けるのがおすすめです。
安心感か近さで厄祓い・厄除けする神社・お寺を選ぶ
- 有名なところの方がご利益がありそう
- 有名なところだと一緒に厄祓い・厄除けをする人が多くてご利益が少なそう
- 小さい神社・お寺だとご利益はなさそう
- 小さい神社・お寺だと1対1もしくは1対数人で、ご利益が多そう
人によって思うことは異なります。
どれが正解か、そんなものはありませんが、自分の直感で選んで下さい。
意外と直感って大切です。
個人的には大きい神社で多くの人と一緒に厄祓いを受けたこともありますし、小さな神社で宮司さんと1対1で厄祓いを受けたこともありますが、どちらも良い点がありました。
多くの人と有名な神社・お寺で厄祓い・厄除けを受けたという安心感もあれば、小さな神社・お寺で1対1で丁寧に厄祓い・厄除けを受けたという安心感もあります。
厄祓い・厄除けを行っている神社・お寺の探し方
今はインターネットで簡単に探せます。
住まわれている自治体名(市区町村名)+厄祓い(or 厄除け)で検索すればいくつもヒットします。
そこでヒットした神社やお寺に雰囲気を確認しにいって、よければその場で予約したり、電話番号をメモしてきて電話で予約をしましょう。
札幌の場合は下記で厄祓いを行っている神社をまとめています。
インターネット予約を受けている神社やお寺も増えてきています。
厄祓い・厄除けの神社・お寺をこだわって選ぶ人もいる
例えば自宅の北東の方向にある神社・お寺は鬼門に位置するからいくら良い神社・お寺でも厄祓い・厄除けにはいかない、というようにこだわって選ぶ人がいます。
矛盾点が多い神社の属性をインターネットで調べて選ぶ人もいます。
ただあまりにこだわりすぎると逆に身動きがとれなくなることもあります。
縁起を担ぐのは良いことですが、こだわりすぎるのも危険です。
厄祓い・厄除けに行こう!
厄祓い・厄除けについていろいろと説明してきましたが、大切なのは自分自身の心構えです。
いくら厄祓い・厄除けをしても信じなかったり、先祖・神仏を敬ってなかったりしたら意味がありません。
そして厄には節という意味があると書いた通り、1つの節目として厄祓い・厄除けを受けたことで新たな気持で過ごすことも大切です。
是非、厄祓い・厄除けは受けて、新たな気持ちでその年を乗り越えるようにして下さいね。
以上、厄除け・厄祓いの違いは?厄年とは何?後悔しないための知識についてでした。